リナックス(Linux)サーバー基本コマンド10選!初心者が最初につまずく「黒い画面」の歩き方
前回の記事を読んでクラウドサーバー(VPS)を契約し、いざ設定画面を開いてみると、そこには文字しか入力できない「真っ黒な画面」が広がっていてパニックになった…という方は少なくありません。
私たちが普段使っているWindowsやMacとは違い、サーバーの世界で主流となっている「Linux(リナックス)」というOSは、基本的にマウスが使えません。すべての操作をキーボードから文字(コマンド)を打ち込んで行います。
最初はハッカーのようで難しく感じるかもしれませんが、基本のルールさえ知ってしまえば意外とシンプルです。ここでは、初心者がサーバーの世界を歩き回るために「これだけは絶対に使う」という10個のコマンドに絞って紹介します。
マウスの代わりにコマンドで「お出かけ」する感覚
Linuxのコマンド操作は、パソコンの中にある「フォルダ(部屋)」をあちこち移動して、ファイルの中身を見たり作ったりする作業です。
まずは、一覧表でざっくりと役割を把握してみましょう。
| コマンド | 読み方(由来) | 役割(現実世界での例え) |
| pwd | ピーダブリューディー | 今自分がいる場所(部屋)を確認する |
| ls | エルエス (list) | 今いる部屋の中にあるもの(ファイル)を見渡す |
| cd | シーディー (change directory) | 別の部屋へ移動する |
| mkdir | エムケイディアー (make directory) | 新しい部屋(フォルダ)を作る |
| touch | タッチ | 新しい空のノート(ファイル)を作る |
| cp | シーピー (copy) | ノートをコピーする |
| mv | エムブイ (move) | ノートを別の部屋へ移動する・名前を変える |
| rm | アールエム (remove) | ノートをゴミ箱に捨てる(※完全消去) |
| cat | キャット (concatenate) | ノートの中身(テキスト)を読む |
| sudo | スードゥー (superuser do) | 管理者の権限(マスターキー)を使って実行する |
それでは、使う順番に沿って詳しく見ていきましょう。
1. 迷子にならないためのコマンド(pwd, ls, cd)
真っ黒な画面では、自分が今どこにいるのか分からなくなりがちです。まずは現在地の確認と移動のコマンドです。
pwd(現在地の確認)画面にpwdと入力してEnterを押すと、「/home/user/」のように、あなたが今いる場所のパス(住所)が表示されます。迷子になったらとりあえず打ち込むコマンドです。ls(ファイルの一覧表示)今いる場所(フォルダ)にどんなファイルが置かれているかを表示します。ls -lと入力すると、作成日やサイズなどの詳しい情報付きで見ることができます。cd フォルダ名(移動する)例えばcd htmlと打てば「html」という名前のフォルダに移動します。1つ前のフォルダに戻りたい時はcd ..(ドットを2つ)と入力します。
2. ファイルやフォルダを作るコマンド(mkdir, touch)
新しい作業場所やファイルを作る時のコマンドです。
mkdir フォルダ名新しいフォルダ(ディレクトリ)を作成します。ブログの画像を入れるための「images」フォルダを作りたいなら、mkdir imagesと打ち込みます。touch ファイル名中身が空っぽの新しいファイルを作成します。設定ファイルなどを新規に用意する時によく使います(例:touch test.txt)。
3. ファイルを整理するコマンド(cp, mv, rm)
作ったファイルを移動させたり、コピーしたりするコマンドです。
cp コピー元 コピー先ファイルを複製します。設定を書き換える前に、失敗しても元に戻せるようcp config.txt config.txt.bakのようにバックアップをとるのが鉄則です。mv 移動させたいファイル 移動先ファイルを別の場所に移動させます。また、mv old.txt new.txtのように書くことで、ファイルの名前を変更する時にも使われます。rm ファイル名(※取り扱い注意)ファイルを削除します。フォルダごと消したい時はrm -r フォルダ名と打ちます。
初心者が陥る「rmコマンド」の恐ろしい罠
ここで1つだけ、絶対に覚えておいてほしい注意点があります。
WindowsやMacでファイルを削除すると、一度「ゴミ箱」に入りますよね。間違えて消しても後から復元できます。
しかし、Linuxの rm コマンドにはゴミ箱がありません。
Enterキーを押した瞬間に、世界からデータが完全に消え去ります。特に、後述する sudo コマンドと組み合わせて重要なシステムファイルを消してしまうと、サーバーが二度と立ち上がらなくなることもあります。rm を打つ時だけは、指差し確認をするくらい慎重になってください。
4. 中身を読む・魔法の言葉(cat, sudo)
最後に、サーバー構築で頻繁に使う2つを紹介します。
cat ファイル名テキストファイルの中身を、黒い画面上にバッと表示して読むことができます。短い設定ファイルなどを確認したい時に便利です。sudo コマンドこれは単体で使うのではなく、他のコマンドの頭にくっつけて使います。サーバーの大事な設定を変えようとすると「あなたには権限がありません」と怒られることがあります。そんな時、頭にsudoをつけて実行すると、「管理者の権限(魔法のマスターキー)」が発動し、特別な操作ができるようになります。
まとめ:暗記しなくてOK!最初はカンペを見ながら
今回紹介した10個のコマンドが使えるようになれば、サーバーという見知らぬ土地でも最低限迷わずに歩き回れるようになります。
- 現在地を知る (
pwd,ls) - 移動する (
cd) - 作ったり消したりする (
mkdir,touch,cp,mv,rm) - 中身を見て、時々魔法を使う (
cat,sudo)
最初からすべて暗記する必要はありません。この記事をブックマークしたり、メモ帳に書き出したりして、カンペを見ながら少しずつ指に覚えさせていけば大丈夫です。
Q. コマンドを間違えて入力したらパソコンが壊れますか?
A. ただ単に「command not found(そんなコマンドはありません)」というエラーが出るだけで、壊れることはないので安心してください。(ただし、前述の rm コマンドで重要なファイルを指定してしまった場合を除きます)
Q. 長いファイル名を手で打ち込むのが大変です。
A. キーボードの「Tab(タブ)キー」を使ってみてください。ファイル名の最初の2〜3文字を打ってTabキーを押すと、残りの文字を自動で補完してくれる便利な機能がLinuxには備わっています。
Q. 文字を入力している途中で全く動かなくなりました。
A. 「Ctrlキー」を押しながら「Cキー」を押してみてください。これは「今やっている処理を強制的にキャンセルする」ショートカットです。固まった時や、コマンドを間違えた時に役立ちます。
