ローカルサーバー構築とは?PCに自分だけのテスト環境を作る入門ガイド
Webサイトを作ったり、WordPressのデザインを変更したりする時、「失敗して画面が真っ白になったらどうしよう」と不安になったことはありませんか?
まだ完成していないサイトや、練習中のページをいきなり世界中に公開するのは少し勇気がいりますよね。そんな時に活躍するのが「ローカルサーバー(ローカル環境)」です。
専門用語のように聞こえますが、実は自分のパソコンの中に「自分しか見られない秘密のテスト部屋」を作るだけのこと。今回は、IT初心者でも簡単にできるローカルサーバーの仕組みと、おすすめの構築ツールを紹介します。
ローカルサーバー(ローカル環境)とは?
一言でいうと、インターネットには繋がず、自分のパソコン(PC)の中だけで動くサーバーのことです。
通常、Webサイトを公開するにはレンタルサーバーなどを借りて、世界中からアクセスできるようにします。これを「本番環境」と呼びます。
一方、自分のパソコンの中だけで完結するテスト用の場所を「ローカル環境(ローカルサーバー)」と呼びます。
- 本番環境:完成した絵を飾る「美術館」(誰でも見られる)
- ローカル環境:絵を描き上げるための「自宅のアトリエ」(自分しか見られない)
このようにイメージすると分かりやすいかもしれません。
なぜわざわざ自分のPCにサーバーを作るの?
レンタルサーバーを借りればすぐにサイトは作れますが、あえてローカルサーバーを構築することには3つの大きなメリットがあります。
| メリット | 詳しい理由 |
| ① 失敗しても怖くない(安全) | サイトの設定を間違えてデータが壊れても、公開されている本物のサイトには一切影響しません。何度でもやり直しができます。 |
| ② お金がかからない(無料) | レンタルサーバーのような月額費用は不要です。無料で何度でも新しいテストサイトを作ったり消したりできます。 |
| ③ オフラインでも作業できる | インターネットに繋がっていないカフェや飛行機の中でも、自分のPCだけでサクサクとサイト作成やデザインの確認が進められます。 |
新しく追加したいWordPressのテーマ(Astraなど)を試してみたり、大きなデザイン変更を行う前の「安全な実験室」として、プロのWebデザイナーも必ず使っている手法です。
初心者におすすめのローカル環境構築ツール
昔はローカルサーバーを作るために複雑な黒い画面(コマンド)を操作する必要がありましたが、今は便利な無料ソフトをインストールするだけで完了します。目的に合わせて2つのツールから選んでみてください。
1. WordPressのテストなら圧倒的に「Local」がおすすめ
もしあなたが「WordPressでブログやサイトを作りたい」と考えているなら、「Local(旧 Local by Flywheel)」というソフト一択です。
面倒なデータベースの設定などを一切行わず、ソフトを入れて数回クリックするだけで、PCの中に真っ新なWordPressが立ち上がります。
2. プログラミングの基礎を学ぶなら「XAMPP」
WordPressに限らず、PHPというプログラミング言語の勉強や、前回解説したデータベース(MySQL)の仕組みを基礎からしっかり学びたい場合は、世界中で古くから使われている「XAMPP(ザンプ)」というソフトが定番です。Webサーバー(Apache)やデータベースがセットになっています。
【要注意】構築時によくある「ポート衝突」エラー
実際にツールを使ってローカルサーバーを立ち上げようとした時、初心者が一番つまずきやすいのが「ポートの衝突(競合)」というエラーです。
前回の記事で「ポートはサービスごとの部屋番号・窓口」だと解説しました。Webサイトを表示するためには「80番ポート」を使用します。
しかし、もしあなたのパソコンで「Skype」などの別のソフトがすでに80番ポートを占領していると、ローカルサーバーが「窓口が空いていない!」とパニックになり、起動に失敗してしまいます。
【解決策】
エラーが出た場合は、Skypeなどの通話アプリや不要なソフトを一度完全に終了させてから、もう一度ローカルサーバーを起動し直してみてください。
まとめ:まずは安全なアトリエを手に入れよう
ローカルサーバーの構築と聞くと難しそうに感じますが、今は「Local」などの便利なアプリを使えば、誰でも5分ほどで自分だけのテスト環境を手に入れることができます。
- ローカルサーバーは、自分のPC内にある「テスト用の秘密の部屋」
- 失敗しても本番のサイトには影響しないため、練習に最適
- WordPressを使うなら無料ツール「Local」が一番簡単
「いきなり本番のサーバーをいじるのは怖いな」と思ったら、まずはこの安全なアトリエで、色々な設定やデザインを心ゆくまで試してみてください。
Q. ローカルサーバーで作ったサイトを、他の人に見せることはできますか?
A. 基本的には自分のパソコン内でしか見られません。ただし、「Local」などの一部のツールには、一時的に外からアクセスできる専用のURL(Live Link機能)を発行して、友人やクライアントに確認してもらう機能がついています。
Q. ローカルで作ったサイトを、後から本番のレンタルサーバーに移せますか?
A. はい、可能です。WordPressの場合は「All-in-One WP Migration」などのプラグインを使うことで、ローカル環境で完成させたサイトを、丸ごと本番のサーバーへ引っ越しさせることができます。
Q. パソコンのスペックはどれくらい必要ですか?
A. 最近の一般的なパソコン(WindowsでもMacでも)であれば十分に動きます。ただし、サイトのデータをパソコン内に保存するため、ストレージ(HDDやSSD)の空き容量には少し余裕を持たせておきましょう。
